「着づな」時代を超えて日本の心を伝える。~過去と未来を結ぶ「着づな」・・きもの~(1)

私たちが世界に誇る民族衣装、きもの。長い歴史の中で、それぞれの中で、それぞれの時代の社会、思想、文化を反映させながらも、そのかたち、美しさそのままに、日本女性が失わざるべきものを伝え続けてきました。2020年、きものが日常を離れて長い時間た経ちます。

日本のこころを伝えるために、ふたたび「着る」ことを通じて、過去から未来へとつないでいくべきものを見直す時かもしれません。

平安時代に生まれた日本独自の美意識、きもの                

日本のきものは、シルクロードを伝わって入ってきた絹布や中国の礼服にルーツを見出すことができます。やがて平安時代になると、公家の礼服として日本独自の「十二単」が生まれます。この十二単こそが現在の着物の原点です。日本の風土に向いた広袖のゆるやかなかたち、四季の変化に合わせ幾重にも重ね着がされました。

それより、重なり合う色目の階調と対比の美しさに繊細な色の文化が発達し、鼠色ひとつを数十色に表す繊細な感性が育まれました。しかし絵巻に残る優雅さの一方で、厚い重ね着は宮廷内で威厳、権力、富裕性を誇示するものでもありました。

その十二単の下着であった小袖が上衣のきものとなったのは室町時代。混乱の戦国の世を経て、貴族、武士、庶民の身分に関係なく衣装がひとつの形に集約された時代以降のことでした。

学校の歴史の教科書や資料集の中には、源氏物語絵巻や屏風に描かれた市中の様子等が掲載されています。もう一度見てみると、学生の頃には気に止めなかった新しい発見があるかもしれません!