着物の歴史|「着づな」時代を超えて日本の心を伝える着付け教室長沼静きもの学院

私たちが世界に誇る民族衣装、きもの。日本の長い歴史の中で、その時代の社会、思想、文化をデザインや着方に反映させながら、着物の美しさは受け伝え継がれてきました。しかし、戦後急速に着物は日常の生活の中から離れ、それから長い月日が経ちました。日本のこころを伝えるために、ふたたび着物を「着る」ことを通じて、過去から未来へとつないでいくべきものを見直す時かもしれません。今回は少しだけ着物の歴史をみてみましょう。

◆平安時代に生まれた日本独自の美意識、きもの                

日本のきものルーツは、シルクロードを伝わって入ってきた絹布や中国の礼服にあるといわれています。平安時代になると、公家の女性の礼服として日本独自の「十二単」が生まれます。この十二単こそが現在の着物の原点です。日本の風土に向いた広袖のゆるやかなかたち、そして幾重にも重ね着がされました。重なり合う色目の階調と対比の美しさに繊細な色の文化が発達し、鼠色ひとつを数十色に表す繊細な感性が育まれました。しかし、日本の四季の色彩を衣服に映した襲色目など絵巻に残る優雅さの一方で、高価な絹を何枚も重ねる重ね着は宮廷内で威厳、権力、富裕性を誇示するものでもありました。

◆室町時代

室町時代になると、その十二単の下着であった小袖が上衣の着物となります。混乱の戦国の世を経て、貴族、武士、庶民の身分に関係なく衣装が大まかにひとつの形に集約されいくのは室町時代以降のことでした。

学校の歴史の教科書や資料集の中には、源氏物語絵巻などには平安時代の貴族の装束や、洛中洛外図屏風等には、庶民、僧侶、武士などが描かれた市中の様子等が掲載されています。歴史関連のサイトでは、拡大して衣装や人の表情なども拡大されているものもあります。歴史の好きな方も、そうでもなかった方も、「着物」という観点からもう一度見てみると、学生の頃には気に止めなかった新しい発見があるかもしれません!