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3月は卒業シーズンです。
卒業生のお子様を持つお母さま、おめでとうございます!
現代では女子大生の多くが卒業式に袴を着用されていますが、娘さまが巣立つ記念すべき日に、ご自身の手で「卒業袴」を着付けてあげることができたら素敵だと思いませんか?
今回のコラムでは、卒業袴の由来から、お母さまが着付けを習得されるメリットをご紹介します。
1 袴の由来
女性の袴は、平安時代、宮廷女性が十二単の一部として着用していた装束に由来します。明治時代に入ると女子教育が広がり、女性の社会進出が進む中で動きやすさと品位を兼ね備えた袴が女子学生の制服として定着しました。
大正時代になると、モダンで華やかな女性像が求められるようになります。袴の柄や色使いに個性を出し、「大正ロマン」と呼ばれる古典的な和服と西洋文化が融合したモダンでハイカラなスタイルが広がりました。しかし、1923年の関東大震災を境に、制服は洋装へと変わっていったのです。
2 卒業袴の定着、流行は漫画がきっかけ
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昭和の後半から平成にかけて、卒業式において袴姿が再び注目されるようになりました。その背景にはアニメや映画化もされた漫画『はいからさんが通る』の影響がありました。
同作は1975年から連載された大和和紀の少女漫画で、大正時代が舞台。主人公の紅緒(べにお)の袴姿は、自由と自立を求める女性像を体現した象徴的なファッションとして描かれていました。
3 卒業式にふさわしい吉祥柄
『はいからさんが通る』で人気となった、矢絣(やがすり)は、明治から大正時代の女子学生の袴スタイルでは定番の柄でした。弓矢の矢羽根をモチーフにした柄で「一直線に進む矢」のように未来へまっすぐ進むという願いが込められ、教育を受けて自立した女性像を象徴していました。現代でも、卒業式という節目に「未来への飛躍」を表す矢絣を選ぶことは、とても縁起が良いとされ今も根強い人気があります。
そして他にも卒業袴の着物や袴に取り入れるとよい吉兆柄があります。
- 桜:日本の春を象徴する花で、新しい門出や希望を意味します。
- 松竹梅:松は長寿、竹は成長、梅は厳しい環境の中でも美しく咲く生命力を象徴し、縁起の良い組み合わせとして定番です。
- 鶴:長寿と幸福の象徴。卒業という新たな旅立ちに願いを込める文様として人気です。
- 七宝:円形が連続して繋がる模様で、調和やご縁を象徴します。人と人との繋がりを大切にしたい卒業の場に最適な柄です。
- 麻の葉:麻の葉は成長が早く丈夫な植物であることから、成長や健康を願う模様です。
- 青海波:波を表した模様で、未来永劫に続く幸せや平穏を願う意味があります。
- 菊:皇室の象徴であり、不老長寿や高貴さを表します。卒業という晴れ舞台を引き立てます。
- 流水:水の流れを表した模様で、清らかさや自由、未来への流れを象徴します。
- 梅:寒い冬を乗り越えて咲くことから、忍耐と希望を象徴します。
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4 袴にブーツは正しい装い?
袴にブーツを合わせるスタイルも、伝統的な和装を現代的にアレンジした正しい装いとして受け入れられています。草履も選択肢としてありますが、ブーツを履くことで「はいからさん風」や「大正ロマン」をイメージしたおしゃれな着こなしを楽しむことができます。また、近年は伝統的な無地の袴だけでなく、華やかな刺繍やモダンな色使いを取り入れたデザインも増えています。
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5 母親が着付けを習得することのメリット
お母さまが着付けを習得し、娘さまの卒業袴を着付ける。そこには喜びと多くのメリットがあると考えます。
5-1 人生の大切な節目に
卒業式は人生の大切な節目。その準備を通して、親子で特別な思い出を作ることができます。プロに着付けてもらうのではなく、お母さまが着付けることで娘さまには「お母さんが準備してくれた」という感謝の気持ちと特別感が生まれます。心のこもったサポートは一生の思い出になるはずです。
5-2 当日の準備がスムーズに
お母さまが着付けを習得すれば、プロに依頼する費用を節約することができます。また、着付け師を予約する場合、スケジュールに制約がありますが、ご自宅で着付けをすることで時間にゆとりが生まれ、準備をスムーズに行うことができます。会場で細かい調整や崩れた時の直しに対応できるのもポイント。
5-3 今後のイベントでも活用できる
袴だけでなく、着物全般の着付けを学ぶことで、他の家族の節目やイベント(成人式、結婚式、七五三など)でも活用できます。今後、娘さまが着物を着る機会が増えた時に、頼れる存在になれることは大きなメリットだと思います。
また、着付けを習うことで、ご自身にとっても新しいスキルを身につける楽しみがあります。着付けを通して自然と学ぶ、日本の伝統文化の価値や美しさを娘さまに伝えることもできるでしょう。
まとめ
卒業袴の着付けを習得されたい方は「無料体験レッスン」へ!
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今回は、卒業袴の由来からお母さまが着付けを習得することのメリットについてお伝えしました。興味を持たれた方は、この機会に、第一歩を踏み出していただければと思います。
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