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小さく美しい装飾品「帯留め」とは

きもの豆知識



きものや帯を引き立てるジュエリーのような存在の「帯留め」。

帯締めの中央にくるため存在感があり、きものコーデに華やかさや季節感、遊び心をプラスしたい時のアクセントとして活躍します。今回は知っているようで知らない、帯留めについてご紹介します!

1 帯留めの歴史

帯留めの歴史は江戸時代後期の文化・文政年間(1804年~1829年)頃にはじまります。当初は金属製が主で帯締めを固定する実用的な目的で武士階級の男性や老女に用いられていました。幕末になると芸者衆が粋なファッションとして身に着けるようになると、一般女性の間にも広まっていきました。

明治時代に入り、1876年に公布された廃刀令で刀装具の職人たちが職を失い、その技術を活かして帯留めを生産し始めたことも帯留めの普及と重なったようです。また、西洋文化が普及したことで日本の伝統工芸に新しい要素が加わり、デザインや素材も多様化。宝石やガラスなど海外から取り入れた素材を取り入れた帯留めが登場しました。

現代ではアクセサリーの感覚でつける人が大半です。また、ブローチなどを帯留めとして活用する方も多く、帯留めにできるパーツも販売されています。

2 帯留めの付け方

帯留めには、帯締めを通すためのリング状の金具が付いています。

帯締めは三分紐を使いましょう(長さ130cm程度・幅9mm程度の、通常よりも細い帯締め)。付け方の手順は以下のとおりです。


1 三分紐に帯留めを通し、帯留めを背中に回します。
2 前で紐の両端をそろえて持ち、紐をグッと前に引っ張ります。
3  左右を引き締めるように結ぶとしっかりとまります。
4 帯締めの結び方で締めたら、くるっと回して帯留めを前に持ってきて整えたら完成です。

3 帯留めの素材

帯留といっても素材はさまざまな種類があります。

【金属】金銀、プラチナ、真鍮、銅などを使って彫金されたもの。

【ガラス】とんぼ玉やクリスタルガラスを使った透明感のあるデザイン。

【天然石】瑪瑙(めのう)や翡翠(ひすい)、真珠、ルビー、エメラルドなど。

【陶磁器】有田焼や九谷焼き、清水焼など絵付けがされたもの。

【木製】蒔絵などの漆塗りや寄木細工など。

【布製】つまみ細工や、くみひも(組紐)細工など。

その他、七宝や螺鈿(貝)、象牙やべっ甲。現代では樹脂やアクリル、プラスチック製などカジュアルに使えるものも多くあります。

4 帯留めのTPO

帯留めをコーデする時のポイントは、きものや帯の雰囲気、季節や用途に合わせて素材やモチーフを選びましょう。

 

4-1 きものを着ていく場所や季節に合わせて選ぶ

フォーマルな場所であれば、きものや会場の格に合わせて、パールや宝石など高級感のあるものを身につけましょう。カジュアルな場所であれば好きなデザインを選んでください。

 例えば、夏は涼しさを感じさせる色や透明感のあるクリスタルガラスや水晶や翡翠、七宝など。冬は重厚感ある金属や温かみのある木製や漆加工のものなどがおすすめです。

モチーフは、季節の花や果物、イベント(正月、お祭り、ハロウィン、クリスマス)に合わせて選ぶと気分も上がり、見てくださる方の目も楽しませることができます。

 

4-2 帯留めの使用を控えた方がいいシーン

【茶席の場】

茶席の場では、帯留めの使用は控えます。大切なお道具を傷つける等の粗相がないようにするためと、簡素を旨とする茶会では「茶席の道具の美しさに匹敵するものはない」という意味で華美な装飾は控えるのがマナーです。

【喪服の場】

「黒い石なら良い」とする考え方などもありますが、喪服の場合も帯留めの使用は控えた方がいいです。

くみひも(組紐)でつくる帯留めもおすすめ

帯留めをご自身の手でこだわってつくることができたら、もっと楽しいと思いませんか?

近年、人気が高まっているのが、くみひも(組紐)を使った帯留めです。

人の手でつくられた、くみひも(組紐)には温かみがあります。そして、色の組み合わせや結び方次第で何通りものアレンジが可能なので、お手持ちのきものや帯に合わせることができます。

長沼静きもの学院には「くみひも科」があり、希望があれば、くみひも(組紐)を使った帯留めも指導できます。


まとめ

くみひも(組紐)の帯留めを作って見たい方は「体験レッスン」へ!

くみひも(組紐)の帯留に興味を持っていただいた方、まずは体験プランで魅力を体感ください! 長沼静きもの学院では、全校16校で「体験レッスン」を実施中です。

くみひも科では、1回90分のレッスンで帯留めやストラップや帯締など自分の作品を創る体験ができます。手ぶらでOKですので、お問い合わせの上、気軽にお越しください。

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