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きものの小物「半衿(はんえり)」とは?選び方と基礎知識

きもののお手入れ

きものの装いにおいて、小物選びにはその人のセンスが光ります。特に、顔まわりの印象は「半衿(はんえり)」の選び方がポイントです。
チラリとのぞく半衿の選び方で、季節感やあなたらしさを表現してみませんか?
まずは、半衿の基礎知識を学び、TPOに合わせた選び方についても確認していきましょう!

※顔からいちばん近く、首元からみえる白い色の部分が半衿です。

きものの半衿とは

半衿とは、きものの下に着る「長襦袢(・半襦袢)」につける衿のこと。半衿自体は、長さが約100cm〜110cmで幅は約15cm〜20cmの1枚布です。きものを着用する前に、長襦袢本体についている地衿の上から、半衿を縫いつけておきましょう。 半衿は全てのきものに必要なアイテムです。装いの基本となる着付けでは、浴衣以外で半衿がない状態できものを着ることはありません。

半衿の役割

なぜ、わざわざ地衿に半衿をつけるのでしょうか?それは半衿に「おしゃれ」と「汚れ防止」の役割があるからです。
顔に近い半衿のコーディネートは、相手に与える印象を変化させたり、顔映りをよく見せたりできます。白無地の半衿のほか、カラー、質感、刺繍などのデザインにこだわってみてもいいですね♪また、きものを着る際に、半衿と地衿の間に衿芯を差し込むことで、衿の形をきれいに見せることができます。
首元は、汗やお化粧などでどうしても汚れがつきやすい部分です。長襦袢やきものの衿汚れを防ぐ目的で、半衿が活躍します!

伊達衿との違い

和装小物に「伊達衿(だてえり)」があります。きものを重ね着しているように見せて、豪華さを演出します。

半衿の種類と選び方

白い半衿は万能アイテム。フォーマルな場でも、日常的なカジュアルシーンでも使用できます。季節によっても使い分けられる、代表的な5種類の生地の特徴を覚えておきましょう。

塩瀬羽二重(しおぜはぶたえ)

最も基本的な半衿が塩瀬羽二重です。帯地にも使われるしっかりとした生地。経糸を密に、緯糸を太くする、畝織りが特徴です。

縮緬(ちりめん)

細かいシボ(凹凸)が特徴的で、ボリューム感があります。

綸子(りんず)

綸子は、経糸も緯糸も撚らない糸で織られた生地です。織り方によって地紋が浮き出るのが特徴で、光沢があり手触りはなめらか。

絽(ろ)

夏に着用する半衿によく使用される絽は、隙間のある織り方が涼しげな見た目を演出します。

麻(あさ)

麻の半衿には透け感があるので、夏の暑い時期に合わせたい半衿です。通気性にも優れています。

シーンから選ぶ半衿の種類

実は、きものを着るシーンによって、半衿の種類を使い分ける必要があります。現代は多様性が認められることも多いですが、フォーマルな式典ではふさわしい装いをする心遣いも大切です。

かしこまった式典では白半衿が無難

基本的に、第一礼装には白半衿がマナーとされています。親族の結婚式など、フォーマルな場できものを着る時は白半衿が無難です。
ただし、近年は成人式の振袖に個性やファッション性が求められ、白以外の刺繍半衿を合わせることもあります。

喪の半衿は必ず白半衿

喪の際に着用する格式高い黒無地のきものには、無地の白半衿を合わせるのがマナーです。あくまでも控えめな装いを心がけます。

カジュアルシーンでは色柄のある半衿にチャレンジ

小紋や紬、木綿などのカジュアルな装いのきものには、色や柄のある半衿を合わせてもいいでしょう。自分好みにおしゃれなコーディネートを楽しみましょう。もちろん、白の半衿ですっきり上品に見せるのもOKです!

まとめ

きもの小物の中でも、半衿は顔まわりの印象を左右する重要なアイテムです。
王道の白半衿には種類があり、季節や質感で生地を使い分けるのもおすすめ!汚れやすい小物なので、付け替えてきれいな状態を保つようにしましょう。
そして、フォーマルな場では白半衿をつけると安心です。きものの装いは、その時と立場によって適切なマナーが変わります。こじんまりとしたパーティーなど、きもののコーディネートに悩んだときには、周囲と調和する装いを主催者や出席者に相談してみるといいでしょう。

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