10月8日(火)に「KIMONOIST 2024」アワード授賞式が開催されました。
時代と共に変わりゆく美意識や価値観の中で、日本の民族衣装である 「キモノ」 が、大人の嗜みとして愛されるファッション文化として、サスティナブルかつグローバルに定着することを目指し、新しく進化する日本の「伝統や文化」をその生活様式に写し取る新時代の生き方、楽しみ方を提案できる方々に「キモノイスト」 の称号が贈られます 。 その想いに賛同し、長沼静きもの学院は、今年も協賛しております。 キモノイスト公式サイトはこちら |
2024年の受賞者は、町田啓太さん、高橋大輔さん、堀田茜さん、篠田麻里子さん、森口瑤子さん、かたせ梨乃さんの6名。キモノイスト実行委員会 総合スタイリスト斉藤上太郎氏によるきものコーディネートで華やかに登場されました。
KIMONOIST 2024受賞者コメント
町田啓太さん
僕は今、大河ドラマ「光る君へ」をはじめ時代劇に積極的にチャレンジしていることもありまして、着物とは近しい距離感だなと個人的に思っています。
今日の着物は非常に色合いも都会的と言いますか、グレーですごく素敵だなと思います。ボーダー柄がちょっと崩しになっていまして、帯や足袋もそうなんですけども、ボーダー感が散りばめられていて素敵だなと思いました。また羽織が、羽織紐がなくて、まるで軽やかにジャケットを着ているかのような印象を受けまして、着心地もすごく軽やかでとても気持ちがいいです。
受賞理由:町田啓太さんは聡明で、器用で爽やか、ファッションアイコンでもあり、理想の日本男子を地で行く存在。表現者としても「どんな難役もいとも軽やかに、しなやかに演じてみせる」と評される。次世代のキモノスタイルの探求には町田啓太という理想の男が必要である。
斉藤上太郎氏コメント:町田啓太さんは現代を代表するアイコニックな存在であり、表現者の一人である。ファッショナブルで都会的な印象の彼が着物スタイルを選ぶ。そう思っただけでワクワクする。ベーシックでもあるが、大胆、繊細でありながら大人すぎない時代の着物スタイルはとにかくかっこいい。町田啓太さんのイメージなら、そんなスタイルを探りました。
高橋大輔さん
こういうところ(ランウェイ)が本日初めてでして、ものすごく緊張したんですけれども貴重な機会をいただき嬉しく思います。
今日のきものを初めて見た瞬間にすごく素敵だなと思ったのですが、着させていただくとより一層素敵ですね。ちょっと遊び心があるというか色気があるなと思いました。普段から僕自身ちょっと遊び心がありながら色っぽいものが好きなので、着させていただいて、しっくりきていてとても嬉しいです。
僕自身も40歳を迎えるにあたって、こういった和装も組み込んでいきたいなと思いますし、普段着としてモダンなものと組み合わせていくファッションにチャレンジしていきたいなと思っています。
受賞理由:高橋大輔さんはスケートという自身のベースを軸にアスリートと表現者の顔を持つ。常に挑戦と進化を続けるその姿勢は観る者に喜びと勇気を与え続ける。高橋大輔さんが纏う事で、キモノという日本固有の伝統は最新のモノ、コト、ファッションとして進化するだろう。
斉藤上太郎氏コメント:高橋大輔さんはスポーツ界でも屈指のファッショニスタ。男らしくもあり、エレガントで華麗な一面も合わせ持つ。シンプルすぎない。パターンオンパターンの組み合わせも着こなせる個性と器量を感じ、あえて大胆にスタイリングしました。足し算の着物スタイルは令和ならではである。新しいワードローブの一つとして提案したいスタイルです。
堀田茜さん
私は海外ロケが多く、やっぱり海外に行くたびに日本の素晴らしさ、日本文化の素晴らしさを実感して帰ってきます。きものって日本文化の一つを自分でまとえる、日本人にとっては心躍る瞬間になると思うので、これからたくさん着る機会を作って、きものの良さを広めていけたらなと思います。
今日のきものは、もう一目見たときからすごくシックで素敵だなと心掴まれました。今までは赤や青など色の強いものを着させていただくことが多かったのですが、年齢によって似合う着物も変わってくるのがすごく面白いところだなと思います。作り手の方の着物を楽しんでほしいというパワーをひしひしと感じます。
受賞理由:「現代的な女性像」それが堀田茜さんの第一印象。飾らないイメージも器用なイメージも不器用なイメージも混在する。そんな人間らしさが彼女の一番の魅力なのである。ファッションとしてのキモノを纏う事で堀田茜さんの新しい魅力をまた一つ加えてみたいと思った。
斉藤上太郎氏コメント:堀田茜さんは飾らない純朴な人柄が印象的である。チョイスしたきものは灰桜の緻密でモノトーンの葵文様が並ぶ可愛い小紋。しかし、堀田さんの持つみずみずしさが引き立つようにスタイリングは可愛くもシックに仕上げました。羽織や小物はあえて華美にはせず、より堀田さんの衒いのない人柄にズームされるようなスタイルに挑戦しました。
篠田 麻里子さん
上太郎先生がいちからデザインして作ってくださったきものを着られて本当にうれしいです。このきものに恥じぬように、雨にも風にも負けず、芯のあるしなやかな女性になりたいと、日々邁進していきたいなと思っております。今日のきものは深い色合いに繊細にバラが描かれているのですが、ちょっとモダンな中に、じっと咲く花のような、その雰囲気が大人っぽくて素敵だなと思いました。(帯締めの)黄色のアクセントも、きものの色合わせでなかなか見たことがないので、さすがの上太郎先生だなと思いました。普段きものを着る機会はあまり多くはないのですが、洋服のような感覚で色々な合わせ方ができるというのがすごく面白いなと思いました。
受賞理由:多彩な活動を続ける篠田麻里子さんは自身で掲げた目標を一つずつクリアし、その達成感や喜びを原動力に変換する。「柔らかくも芯がある理想の女性像」というのが篠田麻里子さんのイメージ。これからの理想の女性像にはキモノのスタイリングを必ずプラスしてみたい。
斉藤上太郎氏コメント:多方面で活躍する篠田麻里子さん、その生き方や原動力は現代の女性の指針である。そんな篠田麻里子さんのスタイルに収まる着物を想像することから始まりました。かわいいけれど、大人であって圧倒的なトレンド感を併せ持つ端麗なフラワーモチーフと幾何学文様の合わせるモダンな配色の小物でアクセントをつけました。
森口瑤子さん
私は今、10月16日からスタートの『相棒 シーズン23』の撮影中でありまして、小料理屋「こてまり」の女将役で毎回きものを着させていただいて出演しているんですね。なので本当に私自身がきものの虜になっておりますので、いつか皆さんにきものの魅力を伝えられる機会があったらなと思っていましたので、大変幸せに思っております。
きものだけ最初拝見させていただいたときは、そのクールさに私に着こなせるかしらとすごく心配になったのですが、可愛い帯と合わせられて、着物ってこうやって合わせるとこれだけ楽しめるんだなと感動しております。
これからはちょっと攻めたファッショナブルなものにどんどん挑戦していきたいと思っております。せっかくですから、私世代の女性にも、品を崩さない、でも新しいきものの着方というものをお見せできたらなと思っています。
受賞理由:森口瑤子さんは同世代の女性に支持されている、それは表現者として俳優として、どんな仕事にも真摯に向き合い全力で挑む。ぶれないその姿勢は圧倒的憧れの女性像として見る者を虜にする。さらりとキモノを着こなす彼女の風情は、現代女性の着物に対するイメージを身近なものにしてくれるだろう。
斉藤上太郎氏コメント:森口洋子さんは憧れの女性像として同世代の女性からも多く支持を集め、コンサバティブな森口さんの着物スタイルのイメージとも思えるが、今回のスタイリングでは少し甘辛なイメージを取り入れました。伝統的な技法の一つである総絞りを用いながらモダンでクールに 森口洋子さんらしく仕上げることに挑戦しました。
かたせ梨乃さん
デビューした時に時代劇をやらせていただいて、その後も、今三味線もやっておりますので、きものを着る機会はとても多いです。
今日はきものは、着ていて一人じゃないんだ、みんなと一緒なんだという一体感をいただいたお着物でした。ちょっとこれブラジルの蝶みたいな感じがしませんか?実はそろそろ私、年齢もこの中では上なので低空飛行の時代なんですけれども、空に向けて羽ばたいているような、とても幸せな気持ちに、天から幸せがいっぱい降り注いでくるような気持ちになるきものでした。
肩肘張らないで日常からカジュアルなきもので、女子会もいいじゃないですか!年齢を重ねるとともに可愛らしくきものを着れたらいいなと思っております。
受賞理由:かたせ梨乃さんの演じる数多の「闘う女」は常に情熱的で開放的。そこにはかたせさんでしか成しえない「生き様」が漂う。幾重の難役をこなしてきたかたせ梨乃さんに令和のキモノスタイルを発信していただく事は、キモノの未来への希望でしかない。
斉藤上太郎氏:情熱的でパワフルな印象のかたせさんが演じてきた役柄もあいまって着物スタイルのイメージもあわせもつ。今回のスタイリングでは令和の美意識をまとう、片瀬りのさんを目指し、ドレスを纏うような着物スタイルを提案しました。自分らしく、しなやかにさらりとドレス着物を着こなすモダンな女性像をイメージいたしました。
受賞者の皆さまそれぞれ、素敵に着こなされ、きものへの熱い想いも感じられる素晴らしいランウェイでした。改めてきものの魅力に気付かされる、素敵な授賞式に参加でき光栄でした。
これからも長沼静きもの学院は、きものを愛する皆さまを応援して参ります!
なお、10月26日(土)~10月27日(日)に開催されるきものサローネ内「キモノイストDAY」には、6人のキモノイスト2024受賞者が着用したきものが展示される予定です。
イベントに足をお運びいただき、ぜひお近くでご鑑賞ください。
10月26日(土)&27日(日)特別イベント「キモノイストDAY」開催
- 01 フォトグラファー 大森 直氏によるKIMONOIST2024受賞者ポートレート展示
- 02 KIMONOISTたちが着用したキモノを実物展示
- 03 スポンサーによる展示販売
- 04 ファションショー開催
当学院もくみひも体験ブースを出展予定です。
最新情報は「キモノイストDAY」特設ページをご覧ください。
日本最大級の着物イベントである「きものサローネ」との同時開催。
きものファンに楽しんでいただける特別な2日間になりそうです。
【イベント開催概要】
日 時:2024年10月26日(土)~27日(日)
10:00~18:00
場 所:東京国際フォーラム
千代田区丸の内3丁目5-1 E1ホール
入場料:当日 Web払い1,500円(税込) 現金払い2,000円(税込)※
※よりお得に入場いただける前売りチケットはこちらをご覧ください。